石油開発の最前線から

石油を中心としたエネルギー・資源開発について考える

シェール開発の最新事情

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日々進化し続けるシェール技術

最近は、あまり日本のニュースでシェールに関する話題を聞かなくなったので、このブログを使って、シェールの最新動向を定期的に紹介していきたい。今回紹介するのは半年以上前の出来事であるが、米国で掘削された国内最長の水平坑井について。

Halliburton, Eclipse Resources complete longest lateral well in U.S.

石油コントラクターのハリバートンが、操業主体Eclipse Resources社とともに米国Uticaシェール(ニューヨーク周辺に分布するシェール)にて米国最長の水平坑井を掘削したと報じられた。"Purple Hayes" と呼ばれるこの坑井は、全長27,046ft(約8.2km)、水平長18,500ft(約5.6km)の長さを持ち、米国最長の水平坑井であるとされる。また、本坑井では、水平区間において124ステージの水圧破砕が実施された。

とにかく長く、とにかく多く

つい3年程前に、あるシェールで水平長が3kmの坑井が掘削され、40ステージの水圧破砕が行われたと知人から聞いて驚いた記憶がある。たった数年で、米国のシェール開発は100ステージ以上の水圧破砕を行う時代に突入した。シェールの開発技術は本当に進歩が早く、たった数年前の知識や常識は全く通用しなくなってしまう。

シェールを開発可能にし、米国にシェール革命をもたらした技術は2つある。水平掘削と水圧破砕だ。ここ最近のシェール開発のトレンドとして、坑井の水平長をより長くすることで掘削本数を少なくし、その水平区間でより多くの水圧破砕を実施する傾向にある。より長く掘り、より密に水圧破砕を実施することで、シェール業者は生産性を向上させることに成功した。

ちなみに私が仕事で経験した水圧破砕は5ステージまでのものであり、100ステージ以上の水圧破砕がどういったものなのか、全く想像がつかない。